胃がんがわかる血液検査
ペプシノーゲン検査とは?
血液に含まれるペプシノーゲンという物質の状態を調べて、胃の状態を調べる検査です。
胃粘膜の萎縮状態、胃液の分泌機能、胃粘膜の炎症の有無、胃がんの有無がわかります。
必要な血液はわずか数滴で、胃カメラのような苦痛やX線の被ばくがなく、手軽なのに精度の高い胃がん検査として注目されています。
X線法と比べた場合の早期の胃がんの発見率は約2.7倍で、検査コストは約半分。
さらにピロリ菌感染の検出にも有効です。
人間ドックの際にはぜひ受けたい検査です。
ペプシノーゲン検査の原理
ペプシノーゲンとは、タンパク質を分解する酵素ペプシンになる直前の物質です。
99%は胃内に出て、残り1%が血液に入ります。
胃に入った方は胃酸と反応してペプシンになります。
血液に入った方をチェックすれば、胃の中を検査しなくても状態がわかるわけです。
ペプシノーゲンにはIとIIの2種類があり、PGIおよびPGIIと略記されます。
炎症やがんなどの異常があるとPGIの量やPGIとPGIIの比率が変化します。
検査ではPGIの量とPG比率(PGIの量÷PGIIの量)を調べて判断します。
PGIの量は7.1以上、PG比率は3.1以上が正常値です。
ペプシノーゲン検査で疑える病気
PGIの量 |
PG比率 |
考えられる病気 |
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70.1ng/mL以上 | 3.1以上 |
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70.1ng/mL以上 | 3.1未満 |
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70.1ng/mL未満 | 3.1未満 |
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50.0ng/mL以下 | 3.1未満 |
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50.0ng/mL以下 | 2.0以下 |
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ペプシノーゲン検査の限界と適切な使い方
このように優れた検査ではありますが、ペプシノーゲン検査も万能ではありません。
ある種のがんはペプシノーゲン検査では見逃しやすい傾向にあります。
具体的には、未分化型腺がんや進行がんなどです。
未分化型腺がんはX腺なら簡単に見つかるので、ペプシノーゲン検査は従来の検査法とうまく組み合わせるのが賢いやり方です。
ペプシノーゲン検査で異常が出た人は内視鏡(胃カメラ)を受け、異常が出なかった人はX線検査を受けるのが高効率と考えられています。